産前産後の腰痛
- Hiroshi Andoh
- 2024年6月20日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年10月31日
産前産後に身体の不調を訴える方はとても多いです。
そのなかでも腰痛は特に訴えの多い症状です。
産前産後の特徴として
①ホルモンバランスの変化
②姿勢の変化
③体幹を支えるコアマッスルの変化
などが影響します。
①ホルモンバランスの変化による影響
骨盤にある仙腸関節や恥骨結合などは靭帯に支えられていますが、妊娠によるホルモン分泌により出産時の産道を作るために靭帯が緩みます。その関係で、骨盤が緩んで不安定になります。下肢から体幹へ、体幹から下肢へと骨盤を介して伝達していた力が効率よく伝えられなくなり、腰痛を引き起こす原因となることがあります。また、緩んだ骨盤はすぐには戻らず、もとに戻る過程の緩んだ状態で負荷が掛かると不安定な関節自体に痛みや炎症が生じるケースも多くあります。
②姿勢の変化による影響
妊娠中は胎児の成長により子宮が大きくなることで、お腹が前に出っ張ってきます。そうするとお腹の腹筋は引き延ばされるうえに、身体の前後のバランスをとるために腰を反るような状態になり、腰への過度な負荷により腰痛を引き起こします。
出産後は出産のために大きなエネルギーを使い果たし身体が疲労しているうえに、育児で赤ちゃんを抱っこしたり、おんぶしたりという今までの生活にはない新たな身体への負荷が掛かるため、もともとの筋力のバランスなどにも因りますが肩こりや腰痛を生じることがあります。子育ての抱っこやおんぶなどが原因の腰痛はママだけでなく、パパにも同様に起こりますよね。
③体幹を支えるコアマッスルの変化による影響
体幹を安定させるコアマッスルは横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群の4つになります。
これらは体幹や骨盤周囲を安定させる筋肉になります。
これ以外にも重要な筋肉はありますが、コアマッスルの変化による影響を述べます。
横隔膜は呼吸にも働く筋肉ですが、子宮が大きくなるにつれ上のほうに押しあげられ引き延ばされ、子宮の上方を安定させます。腹横筋は腹筋群の一番深い部分にある筋肉で腰痛用のベルトのようにお腹をぐるっと一周巻いた状態の筋肉で子宮の側面全体的に支えます。多裂筋は脊柱を支える筋肉でお腹が大きくなるにつれ腰椎が前方に引っ張られるため安定を得ようと過緊張の状態になります。また、骨盤底筋は骨盤の底の部分で内臓を支える役割をしている筋肉ですが、内臓の重みに加え胎児の重みが加わることにより下のほうに引き延ばされます。
このような物理的な変化により筋肉が引き延ばされて過緊張の状態、もしくは緩んだ状態になります。
このように様々な原因により筋肉が過剰な緊張状態になってしまったり、筋肉や関節が緩んでしまって機能しにくくなることで、体幹の安定性が損なわれ腰痛の原因になっているのです。
当院では、お身体の状態を確認し、姿勢や筋肉の緊張を調えるために鍼を使ったり、お灸で温めたり、ストレッチやマッサージを行います。コアマッスルが機能しやすい状態に調ってきたら、機能を高めていくためのエクササイズを一緒に行っていきます。
治療や段階的なエクササイズを一定期間継続することにより根本的な治療を目指しています。
不安定な状態が続かないようにしっかり一緒にケアをしていきましょう!
荻窪鍼灸治療院SORA
安藤 浩
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