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首が原因の痛みやしびれ

  • 執筆者の写真: Hiroshi Andoh
    Hiroshi Andoh
  • 2024年11月20日
  • 読了時間: 5分

加齢やスマホの操作や不良姿勢の影響、スポーツ動作の影響などにより首に痛みが出たり、首から腕や手指にかけて痛みやしびれが出たりする頚椎症性神経根症というものについてお話したいと思います。

寒さやトレーニングの影響で首の周りの筋肉が緊張して症状が出やすくなるケースもあるようです。

できるだけ難しい専門的な言葉はさけてお話しようと思いますが、難しい言葉も入ってきてしまいますね。何となくどんなものなのかを少しでもイメージとしてお伝えできればと思います。


「頚椎症」には大きく分けて2つがあります

・頚椎症性脊髄症

頚椎性神経根症

これらの違いは、どの部分の神経がダメージを受けているかの違いになります。

もちろん症状もそれぞれ異なります。


「頚椎症性脊髄症」の場合は脳からつながる「脊髄」の部分がダメージを受けています。

脊髄は脳から連続している「中枢神経」の一部なので、脳がダメージを受けた時と同様に一旦ダメージを受けると修復や再生が難しいといわれている部分になります。


「頚椎性神経根症」は脊髄から分かれて腕や手につながっている「末梢神経」の根っこの部分の「神経根」という部分がダメージを受けています。

末梢神経の出口の椎間孔というトンネルの部分が何らかの原因で狭くなっていて、その部分で神経根が圧迫刺激受け続けることが原因で症状が出ます。症状は突然発症する場合や、徐々に発症する場合など様々ですが、特に突然発症するケースは激しい痛みやしびれを伴う場合があります。痛みは首から肩、腕、手にかけて急に現れることが多く、「刺されるような鋭い痛み」「肩甲骨のあたりや手や腕がかったるい」と訴える方もいらっしゃいます。「頚椎症性脊髄症」の場合はこのような症状ではありません。


「頚椎性神経根症」の痛みはなぜ起きるのか?

じつは神経根が圧迫を受けただけでは痛みは起きないそうです。圧迫を受け続けたりした結果、神経根の血流が阻害されたりすることにより、その部位にダメージや炎症が起きることで正常では見られない部位に神経の興奮が生じることが原因とされています。

神経がダメージや炎症により一定の侵害刺激(いや~な刺激)を繰り返し受けると、痛み刺激を受け取る神経細胞の感受性が亢進して、過敏に反応してしまうようになるというのが原因のようです。


末梢神経はある程度のもとに戻る力をもっていますが、長い間ダメージや炎症を引きずったまま痛みを受け続けるともとに戻る力を失ってきます。その状態になってしまうと痛みが慢性化して治りにくくなってきます。正常時は痛みを伝える神経の経路と、触覚や交感神経系の神経の経路は独立しているのですが、ひどくなってくると神経の異常なネットワークが形成されてしまい、他の神経の経路との間に連絡ができてネットワーク回線の混線状態が生じてしまうんです。ひどい状態になると、普通に触れられただけの刺激を痛み刺激と捉えるようになってしまうこともあるんです。


「頚椎性神経根症」の痛みに対する鍼灸治療

治療は神経損傷の修復や神経の炎症を抑えることがポイントになります。 

まず首の周りの筋肉の緊張を鍼灸治療などで取っていき首周りの血流を改善します。


「頚椎性神経根症」の疼痛に対して障害神経への鍼通電療法(神経パルス)が他の鍼治療(筋パルス、鍼麻酔方式による通電療法)よりも効果的であったと報告されています 。


①神経は神経に分布する血管から栄養をもらっていますが、効果の機序の一つとして、鍼治療により神経への血流が増加することにより神経損傷の修復が期待されると考えられています。逆に神経への血流が低下すると痛み・しびれなどが生じるとされています。


②もう一つの機序として神経の炎症に対する抗炎症作用ですが、鍼灸治療により以下のような調整が複雑に働くため効果が期待されます。


【鍼灸の抗炎症作用のメカニズム】

 1. 神経系を介した作用

 鍼刺激が皮膚や筋肉の神経末端を刺激すると、痛みを緩和するエンドルフィンや鎮痛性  の神経伝達物質(セロトニン、アセチルコリン)が放出されます。これにより、炎症部  位の痛みが軽減され、過剰な神経興奮が抑制されます。

 2. 血流改善

 鍼や灸の刺激は、血流を促進する効果があります。炎症部位への血流が増えることで、  老廃物や炎症を引き起こす物質(サイトカインやプロスタグランジン)が効率的に排出  され、炎症反応が軽減されます。

 3. 免疫系の調整

 鍼治療は、炎症を誘導するサイトカイン(例:IL-1、IL-6、TNF-α)の産生を抑制し、炎  症を抑える抗炎症性サイトカイン(例:IL-10)の分泌を促進することが研究で示され  ています。このような免疫調整作用が、慢性炎症の抑制に役立つと考えられています。

 4. ホルモンバランスの調整

 鍼刺激は、ストレスを軽減するホルモンであるコルチゾールの分泌を調整します。適切  なレベルのコルチゾールは、体内の炎症反応をコントロールする役割を果たします。



鍼灸治療の効果の機序は、すべてが明らかにされているわけではありませんが、徐々にさまざまな機序が科学的に証明されてきています。

東洋医学として何千年も前から経験を蓄積してきた治療法でもあります。


お医者様の治療と併行して治療をすすめるのも良いかもしれません。

お困りの症状があるときには、お気軽にお問い合わせください。

一緒に原因を考え治療をすすめていきたいと思います。


荻窪鍼灸治療院SORA

安藤 浩

 
 
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